インターネット通販の利便性が高まる一方で、新たな詐欺の手口が登場し、多くの被害者を生み出しています。
今回は、最近急増している「欠品・返金詐欺」について詳しく解説し、その対策方法をお伝えします。
「欠品・返金詐欺」の実態と被害状況
「欠品・返金詐欺」は、巧妙な手口で被害者を騙し、多額の金銭を奪う新種の詐欺です。
この詐欺の特徴と被害状況について、以下にまとめました。
- 偽の通販サイトを利用した巧妙な詐欺手口
- 被害者が3重にだまし取られる悪質な手口
- 警視庁に138件、約1億5千万円の被害申告
- 10代から70代まで幅広い年齢層が被害に
- 個人や小規模事業者を装った偽サイトが多数
- 書籍、洋服、楽器など様々な商品を扱う
- 他のサイトより格段に安い価格設定が特徴
- 不自然な日本語表記や事業者情報の欠如
- 電子マネーやインターネットバンキングを悪用
「欠品・返金詐欺」は、インターネット上の偽の通販サイトを利用して被害者を騙す新たな詐欺手口です。
警視庁の報告によると、今年に入ってから138件、総額約1億5千万円もの被害申告が寄せられており、その被害は急速に拡大しています。
この詐欺の特徴は、被害者が商品の代金、電子マネー、現金と3重にだまし取られることにあります。
被害者の年齢層は10代から70代まで幅広く、性別に関係なく被害が広がっているのが特徴です。
詐欺の手口:巧妙な偽装と心理操作
「欠品・返金詐欺」の手口は非常に巧妙で、被害者の心理を巧みに操ります。以下に、典型的な詐欺の流れを説明します。
まず、犯人は偽の通販サイトを作成します。このサイトは、個人や小規模事業者を装っており、書籍や洋服、楽器、フィギュア、DVDなど様々な商品を扱っています。
サイトの特徴として、他の正規のサイトよりも格段に安い価格設定があります。この安さに惹かれて、被害者は商品を購入してしまいます。
購入後、被害者に「商品が欠品している」というメールが送られてきます。このメールには、返金手続きの案内が含まれており、被害者は指示に従って業者とコンタクトを取ります。
業者は、電子マネーやインターネットバンキングを使って返金すると説明し、被害者に様々な操作を指示します。しかし、これらの操作は実際には犯人に金銭を送金するためのものです。
被害者は「指示通りにすればお金が返ってくる」と信じて操作を続けてしまい、結果的に多額の金銭を失ってしまうのです。
被害を防ぐための注意点と対策
「欠品・返金詐欺」の被害を防ぐためには、以下の点に注意する必要があります。
まず、通販サイトの信頼性を確認することが重要です。国民生活センターによると、詐欺サイトには以下のような特徴があります:
1. ブランド品やメーカー品が市場価格より極端に安い
2. 不自然な日本語表記がある
3. サイト内に返品のルールや事業者の情報が記載されていない
これらの特徴が見られる場合は、そのサイトの利用を避けるべきです。
一般的な通販サイトの作りであれば、ページ下部などに特商法…正確には『特定商取引法』についての記載があります。

通販サイトの特商法記載の一例(参考:ヨドバシカメラドットコム)
特商法の記載がない論外なサイトもありますし、また一見特商法のページがあっても情報が不十分(メールアドレスしか記載がない等)や運営会社が海外(中国やマレーシアなどアジア系が多い)になっているところは危険と捉えたほうがいいでしょう。
また、返金手続きの際に電子マネーやインターネットバンキングの操作を求められた場合は、詐欺の可能性を疑う必要があります。
不審に思った場合は、すぐに国民生活センターや警察に相談することが重要です。専門家のアドバイスを受けることで、被害を未然に防ぐことができます。
法的対応と被害回復の可能性
「欠品・返金詐欺」の被害に遭ってしまった場合、法的な対応や被害回復の可能性について知っておくことも重要です。
まず、被害に遭った場合は速やかに警察に被害届を提出することが大切です。警察は被害の実態を把握し、犯人の追跡や被害の拡大防止に努めます。
また、金融機関や電子マネー事業者にも連絡を取り、不正な取引の停止や返金の可能性について相談することをおすすめします。
さらに、弁護士や消費生活センターに相談することで、民事訴訟や調停などの法的手段を検討することもできます。
ただし、インターネットを介した詐欺の場合、犯人の特定や被害金の回収が困難なケースも多いのが現状です。そのため、事前の予防策を講じることが最も重要となります。
安全なオンラインショッピングの心得
「欠品・返金詐欺」のような被害を防ぐためには、安全なオンラインショッピングの心得を身につけることが重要です。以下に、安全にインターネット通販を利用するためのポイントをまとめます。
1. 信頼できる大手通販サイトを利用する: Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなど、知名度の高い大手通販サイトを利用することで、詐欺のリスクを大幅に減らすことができます。
2. URLを確認する: ブラウザのアドレスバーに表示されるURLが正しいものかどうかを確認しましょう。詐欺サイトは、正規サイトのURLに似た偽のURLを使用することがあります。
3. セキュリティ証明書を確認する: ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されているか確認しましょう。これは、そのサイトがSSL/TLS暗号化を使用していることを示しています。
4. 価格を比較する: 他のサイトと比べて極端に安い価格設定は要注意です。複数のサイトで価格を比較し、妥当な範囲内かどうかを確認しましょう。
5. レビューや評判を確認する: 商品やショップのレビューを確認し、他の購入者の評価や経験を参考にしましょう。
6. 個人情報の入力に注意する: クレジットカード情報などの重要な個人情報を入力する際は、そのサイトの信頼性を十分に確認してから行いましょう。
7. 不審な点があればすぐに相談する: 少しでも不審に思った点があれば、購入を中止し、消費生活センターや警察に相談しましょう。
インターネットリテラシーの重要性
「欠品・返金詐欺」のような新たな詐欺手口から身を守るためには、インターネットリテラシーの向上が不可欠です。
インターネットリテラシーとは、インターネットを安全かつ効果的に利用するための知識や能力のことを指します。
インターネットリテラシーを高めるためには、以下のような取り組みが重要です:
1. 最新の詐欺手口に関する情報を定期的に収集する: 警察や消費者庁、国民生活センターなどの公的機関が発信する情報を定期的にチェックしましょう。
2. セキュリティ対策ソフトを利用する: 信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことで、悪意のあるサイトやウイルスから身を守ることができます。
3. 強力なパスワードを使用する: 複雑で長いパスワードを使用し、定期的に変更することで、アカウントの乗っ取りなどのリスクを減らすことができます。
4. 二段階認証を活用する: 可能な限り、二段階認証を設定しましょう。これにより、パスワードが漏洩した場合でも、不正アクセスを防ぐことができます。
5. SNSでの情報共有に注意する: 個人情報や金銭的な情報をSNSで安易に共有しないようにしましょう。これらの情報が犯罪者に悪用される可能性があります。
6. 定期的に学習の機会を持つ: インターネットセキュリティに関するセミナーや講座に参加するなど、継続的に学習の機会を持つことが大切です。
7. 家族や友人と情報を共有する: 新たに得た知識や注意点を家族や友人と共有することで、周囲の人々のインターネットリテラシー向上にも貢献できます。
まとめ:警戒と知識で詐欺被害を防ぐ
「欠品・返金詐欺」は、インターネット通販の普及に伴って登場した新たな詐欺手口です。この詐欺から身を守るためには、常に警戒心を持ち、安全なオンラインショッピングの心得を実践することが重要です。
不自然に安い価格設定や、返金手続きを装った不審な操作の要求には特に注意が必要です。
少しでも疑問を感じたら、すぐに専門機関に相談することをおすすめします。
警察や消費者センターに対策を取ってもらいたいと思う人も多いかとは思いますが、このようなサイトは知識があればすぐに開設できてしまうので、現状根絶は難しいでしょう。
ユーザーとして我々ができるのは、インターネットリテラシーの向上に努め、最新の詐欺手口や対策方法について常に学び続け自衛していくことがもっとも大切です。
家族や友人とも情報を共有し、互いに注意を呼びかけ合うことで、社会全体の詐欺対策力を高めることができるでしょう。
インターネットは便利なツールですが、同時にリスクも存在します。
正しい知識と適切な注意力を持って利用することで、安全で快適なオンライン生活を送ることができます。
常に自己防衛の意識を持ち、賢明なインターネットユーザーを目指しましょう。

