RADWIMPSはなぜ紅白に出なかったのか──2016・2019・2025の出場回数から見えてくる“静かな理由”とは

エンタメ・カルチャー

2025年、第76回NHK紅白歌合戦の出演者一覧に、ふたたび「RADWIMPS」の名前が戻ってきました。公式に発表されたこの知らせを受け、ファンのあいだでは「ようやくか」という安堵とともに、静かに抱えていた疑問が改めて浮かび上がったように感じます。

「なぜ数年間、彼らは紅白の舞台に立たなかったのか。そして、なぜ今年は出演するのか?」

RADWIMPSは2016年、映画『君の名は。』とともに初めて紅白に登場し、2019年には『天気の子』を軸にした特別企画で再び出演しました。そして2025年、3回目となる出演が決まりました。

ただ、そのあいだには5年という空白期間があります。この“出ない年”が続いたことについては、SNSやファンコミュニティでもさまざまな意見が語られてきましたが、調べられる範囲の事実と照らし合わせると、過度な憶測に依存せずとも説明できる部分が多いと感じています。

紅白歌合戦は、必ずしも「人気の高さ」だけでは出演が決まらない番組です。作品の話題性や編成のテーマ、その年の社会の空気感といった要素が重なったときに初めて、あるアーティストが“紅白にふさわしい存在”として浮上します。RADWIMPSの場合、映画作品とのタイミングが結果的に出演年と重なりやすかったのは事実ですが、これはあくまで「傾向」であり、彼らが呼ばれなかった理由を断定できるものではありません。

一方で、僕自身がこれまで取材してきた制作現場の話や、音楽番組の編成に関わる人々の考え方を総合すると、RADWIMPSと紅白のあいだにある“静かな距離感”のようなものも感じられます。過剰にドラマチックな構図があるわけではなく、むしろ現実的な要因が淡々と積み重なって今の形になった、というのが僕の率直な見立てです。

この記事では、これまでの出場回数や出演した年の背景を整理しながら、「RADWIMPSはなぜ紅白に出なかったのか」という疑問に、できる限り事実にもとづいて丁寧に向き合っていきます。噂の域を超えない話については、断定せず個人的見解として触れる形にとどめますので、その点も安心して読み進めていただければと思います。

RADWIMPSの紅白出場回数は「3回」──2016・2019・2025の軌跡

RADWIMPSが紅白歌合戦に出演したのは、2025年時点で合計3回です。

  • 2016年(第67回):初出場『前前前世』
  • 2019年(第70回):『天気の子』のスペシャル企画枠
  • 2025年(第76回):3回目の出場(ORICONにて正式発表)

2016年の初出場は、映画『君の名は。』が社会現象となった年でした。NHKとしても若年層の視聴者を引きつけるうえで効果的なキャスティングで、当時の編成意図を考えると自然な選択だったと感じます。

2019年は『天気の子』が大ヒットし、その勢いを反映した特別企画としての出演でした。三浦透子さんとの共演も大きな話題になり、紅白のステージに映画の世界観がそのまま持ち込まれたようだという声も目立ちました。

そして2025年。ORICON NEWS でも報じられた通り、RADWIMPSは3回目の紅白出演が決まりました。久しぶりの登場ということもあり、SNSでは期待を寄せる声が非常に多く見られます。

3回の出場を並べてみると、いずれも社会的な話題性が高かった年と重なっていることが分かります。特に映画作品との結びつきは強く、結果的に「作品が大きく動いた年に紅白へ呼ばれやすい」という傾向が見えてきます。

もちろん、これは僕自身がこれまでの情報を整理して感じた傾向であり、断定的な理由ではありません。ただ、RADWIMPSが“毎年必ず出演するタイプのアーティストではない”という点を踏まえると、話題性や編成上のテーマと一致した年にだけ存在感が浮上するというのは、ごく自然な流れだと考えています。

2016年──“前前前世”が紅白の空気を変えた夜

2016年の紅白初出場は、RADWIMPSにとって大きな節目となりました。これは、UNIVERSAL MUSICの公式発表からも分かるように、映画『君の名は。』が社会現象となった年であり、楽曲「前前前世」はその中心にありました。

UNIVERSAL MUSIC公式リリース

ただ、この年の出演に対してファンの間には期待と同じくらいの“戸惑い”もあったように思います。SNSや当時のコメントを振り返ると、次のような声が目立ちました。

  • 「テレビ慣れしていないバンドは紅白に合うのか?」
  • 「生演奏で魅力が伝わるか心配」

これは決して批判ではなく、むしろファンだからこその“保護的な気持ち”に近かったと感じます。ライブでのRADWIMPSは圧倒的に強い存在ですが、テレビはまた別の文脈が働きます。紅白という年末最大のステージに立つ彼らを見守る空気は、どこか緊張を含んだものでした。

結果的に「前前前世」は大きな反響を呼び、RADWIMPSの存在をこれまで届いていなかった層にも広く届ける契機になりました。しかし、ファンの中に生まれたこの“わずかな不安”こそ、紅白とRADWIMPSの距離感を語るうえで忘れてはいけないポイントだと僕は思っています。

2019年──グランドエスケープと“大丈夫”が飲み込んだ紅白の空気

2019年、RADWIMPSは3年ぶりに紅白へ戻ってきました。この年は映画『天気の子』が大きな話題となり、ORICONニュースでも「天気の子スペシャル」という形で特別企画として扱われています。

三浦透子さんとの共演や、劇伴を含めたステージ構成は映画の世界観をそのまま紅白に持ち込むような演出で、視聴者の反響も大きかった印象があります。とくに『グランドエスケープ』と『大丈夫』は、楽曲の力だけでNHKホール全体の空気を一気に変えてしまうほどの存在感がありました。

一方で、この年の出演をきっかけに、SNS上ではさまざまな“解釈”や“憶測”も見られました。代表的なものとしては「タトゥーは影響したのか?」といった声です。ただ、これについては裏付けのある情報はなく、過去のNHK番組に出演しているタトゥーのあるアーティストもいるため、事実として採用できる内容ではありません。

では、なぜこうした話が出てきたのか。僕自身の見立てとしては、テレビ慣れしていないバンドが大舞台に立つことで生まれる“距離感”が、ファンや視聴者の想像を広げやすくしたのではないかと考えています。紅白のような国民的番組は、出演者に対して「理由」を求めがちで、そこに少しでも空白があると憶測が入り込む余地が生まれるのです。

事実として言えるのは、2019年のステージは作品性が強く評価され、RADWIMPSが紅白において“映画と音楽をつなぐ存在”として確かな役割を果たしたという点です。

2020~2024:なぜRADWIMPSは紅白に“出なかった”のか?

2019年の出演以降、RADWIMPSはしばらく紅白から姿を見せませんでした。約5年間の空白は、ファンのあいだでも「なぜ?」と語られるテーマでしたが、実際に調べられる範囲の事実や、業界の一般的な動きを踏まえると、過度な憶測を立てなくても説明できる要因がいくつか見えてきます。

① NHKの編成方針は毎年変わる

紅白歌合戦は、その年の社会背景や番組全体で作りたいテーマに合わせて出演者が選ばれます。楽曲の人気だけでなく、視聴者層への訴求や番組内での企画との相性が重視されるため、RADWIMPSのように作品ごとに表現が変わるバンドは、編成とタイミングが一致しない年もあると考えられます。

② 映画との連動がない年は“理由づけ”が弱くなる

これまでの出演年(2016年・2019年)を振り返ると、いずれも映画作品が大きな話題となったタイミングでした。これは、結果的に紅白の企画側が動きやすかった年だったとも言えます。ただし、これはあくまで“傾向”であり、「映画がなければ出演しない」という断定的なものではありません。

③ バンド側がテレビ露出を優先していない可能性

RADWIMPSはライブや作品制作を軸に活動しており、テレビ番組への出演頻度は高くありません。制作現場の関係者からも「テレビより作品の世界観を大切にするバンド」という声を聞くことがあり、これが結果的に“毎年紅白に出るタイプではない”という印象につながっているのだと思います。

④ タトゥー問題説は裏付けがない

SNSでは「タトゥーが影響したのでは」という声が一時期見られましたが、調べられる範囲では根拠となる事実は確認できませんでした。NHK側もタトゥーに関する明確な禁止を公表しておらず、過去にタトゥーのあるアーティストが出演している事例もあります。このため、この説はあくまで憶測の域を出ないものだと考えています。

⑤ NHK × 事務所 × レーベルの調整

紅白では毎年、出演枠をめぐる調整が行われます。事務所やレーベルの力関係が影響することもありますが、これは業界では一般的な話で、特別なものではありません。テレビ露出が多くないアーティストは、どうしても優先順位が下がりやすい側面があります。

⑥ 出場回数の少なさゆえ“常連枠”には入りにくい

紅白には、毎年出演する“常連枠”と、その年の話題に合わせた“企画枠”があります。RADWIMPSは過去の出場回数が多くないため、自然と「話題性が高い年に呼ばれる枠」に入りやすいと考えられます。この構造も、数年間出演がなかった理由のひとつとして無理のないものだと感じます。

まとめると、RADWIMPSが紅白に出なかったのは、特別なトラブルがあったわけではなく、作品の動き・NHKの編成テーマ・テレビ露出のスタンスといった複数の要素が重なった結果と見てよさそうです。

RADWIMPSが紅白で披露した曲一覧

これまでRADWIMPSが紅白で披露してきた楽曲を、出演年ごとに整理してみます。2016年は当時話題だった『君の名は』の主題歌であった『前前前世』、そして2019年もこれまた当時話題だった『天気の子』のスペシャルメドレーを演奏しました。2025年についてはORICONの報道で「メジャーデビュー20周年を記念したメドレー」を披露すると伝えられています。

◆2016年

  • 前前前世 [original ver.]

初出場となった2016年は、『君の名は。』が社会現象となった年でした。映画とともに広く認知された「前前前世」は、紅白という大舞台でも大きな存在感を放ち、RADWIMPSの名前をさらに広い層へ届けるきっかけになりました。

◆2019年(天気の子スペシャル)

  • グランドエスケープ(feat. 三浦透子)
  • 大丈夫

2019年は映画『天気の子』にフォーカスした特別企画枠での出演でした。劇中曲を中心とした構成で、三浦透子さんとの共演も含めて「映画の世界観をそのまま紅白に持ち込んだステージ」として大きな反響を呼びました。

◆2025年(メジャーデビュー20周年メドレー)

2025年については、ORICONの報道で「メジャーデビュー20周年を記念したメドレーを披露する」と伝えられています。ただし、現時点では具体的にどの楽曲がメドレーに含まれるかまでは公表されていません。

20周年という節目でのメドレーということもあり、ファンのあいだでは「代表曲を世代横断的に並べた構成になるのでは」「映画主題歌だけでなく、バンドの初期からの楽曲も入るのでは」といった声も上がっています。どの曲が選ばれるかは実際の放送を待つしかありませんが、

「RADWIMPSの20年を象徴するラインナップになることは間違いない」

という点については、多くのファンが共通して期待しているところだと思います。紅白という特別な場で、これまでの歩みをどう編集して見せるのか──その“選曲の視点”にも注目が集まりそうです。

結論──RADWIMPS紅白“出ない理由”は、タイミングと編成が語っていた

2016年、2019年、そして2025年と並べてみると、RADWIMPSが紅白に出演した年にはいくつか共通点があることが分かります。それは、映画作品が大きな話題になったタイミングや、社会的な注目が集まっている場面で、番組側の編成テーマとも重なりやすかったという点です。

映画の盛り上がり・社会の関心・NHKの編成テーマの一致

こうした条件がそろった年に出演が決まっていることを踏まえると、出演がなかった期間は、特別な理由というよりも、単純に番組側が求めるテーマとRADWIMPSの活動が重ならなかっただけ、と考えるほうが自然だと思います。

紅白歌合戦は「人気順」で選ばれる番組ではありません。その年の企画性、番組全体で伝えたいメッセージ、視聴者層との相性など、さまざまな要素が複合的に判断されます。RADWIMPSのように作品ごとに活動の波が大きく変わるアーティストは、結果として“呼ばれる年・呼ばれない年”が生まれやすいのだと感じます。

今回の2025年の出演は、そうした条件が再び整った結果であり、自然な流れのひとつと言えるでしょう。特別な裏事情というよりも、番組編成とアーティストの活動が再び重なったという捉え方がもっとも現実的です。

紅白という年末の大舞台には、その年ならではの必然があります。RADWIMPSの歩みを振り返ると、その“静かな必然性”が見えてきます。

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